「神と私」人生の真実を求めて

山折哲雄が監修した遠藤周作の神に関するエッセイ集

神と私
著者:遠藤周作
監修:山折哲雄
出版社:海竜社

巻末にある山折哲雄の「[遠藤周作のキリスト教観]日本人の心にあうキリスト教を求めて」というコメントから・・・
「沈黙」が発表されたのは昭和41年だった。それから30年近く経って、「深い河」が書かれた。その間に、遠藤文学の重要な主題、日本人はキリスト教をどのように受け入れたのかという主題が、しだいに深まりをみせていった。
「沈黙」の中には、「・・・日本人は人間とは全く隔絶した神を考える能力を持っていない。・・・日本人は人間を美化したり拡張したものを神と呼ぶ。人間と同じ存在を神とよぶ。だがそれは教会の神ではない」とある。
そして遠藤周作の最後の作品になつた「深い河」には「さまざまな宗教があるが、それらはみな同一の地点に集まり通ずるさまざまな道である。同じ目的地に到達する限り、我々がそれぞれ異なった道々をたどろうとかまわないではないか」
二つの作品のあいだに流れた三十年という時間の深さに、・・・遠藤さんの内面で進行した神の変容のドラマに惹きつけられる。
 もしかするとキリスト教徒の遠藤さんは、かぎりなく隠れ日本教徒の世界に近づいていたのかもしれない。かつてのキリシタンが、いつのまにか隠れキリシタンとなってこの国の沼地に土着し、この国の民族信仰を受け入れていったように・・・・
宗教とは・信じることとは・愛とは・神とは・人間とは・いのちとは・・・遠藤文学を通して考えさせられる本です。
もう一度作品を読み返す良いガイドブックとなるでしょう。

著者略歴  遠藤周作  エンドウ・シュウサク(1923 -1996)
1923(大正12)年、東京生れ。幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、11歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。 フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小 説も多数ある。主な作品は『海と毒薬』『沈黙』『イエスの生涯』『侍』『スキャンダル』『遠藤周作で読む イエスと十二人の弟子』(いずれも新潮社刊)等。1995(平成7)年、文化勲章受章。1996年、病没。

(レビュー:しんいち)
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