日本最古の旅日記

 入唐求法巡礼行記

慈覚大師円仁の著わした『入唐求法巡礼行記』は、日本最古の旅日記で、
マルコポーロの「東方見聞録」、玄奘三蔵の「大唐西域記」と
並び世界三大旅行記の一つとされる。

日蓮の「立正安国論」にも記され平安・鎌倉時代にはかなり著名だった。
この本が歴史に再登場するのは明治16年に東寺観智院で写本が発見されてからである。

五台山への巡礼、長安資聖寺での生活、廃仏毀釈の法難。
九年半にわたる円仁のさすらいと冒険の旅の記録は、
唐代動乱の政治や庶民の生活を克明正確に描写する。


入唐求法巡礼行記 (中公文庫)



円仁 唐代中国への旅 (講談社学術文庫) [文庫]



入唐求法巡礼行記 (1)(2) 東洋文庫

慈覚大師円仁について
円仁は、延暦13年(794年)下野国都賀郡(栃木県下都賀郡)の豪族・壬生氏に生まれ、
9歳から都賀郡小野の大慈寺の住職広智について修行を積み、
大同3年(808年)、15歳で比叡山に登って伝教大師最澄の弟子となった。

承和5年(838年)遣唐船で唐に渡り、山東省の赤山法華院や福建省の開元寺、
中国仏教三大霊山に数えられる五台山で修行し、承和14年(847年)に帰国した。

帰国後、円仁は朝廷の信任を得、斉衡元年(854年)61歳の時に延暦寺の座主となった。
後に「金剛頂経疏」などを著したが、貞観6年(864年)に71歳で没した。
その2年後の貞観8年 (866)、生前の業績を称えられ、日本で初の
大師号・慈覚大師の諡号(しごう)が授けられた。


| 日本の歴史 | 16:51 | - | - | - | - |

美術芸術史

日本美術史



古代から20世紀末まで、日本美術の流れがコンパクトにまとめられています。
用語解説、年表、仏像各部の名称や寺院建築各部の名称図が添えられています。

日本仏像史



仏教伝来から現代まで、1500年余にわたる日本人の仏像受容と造像の全歴史過程をまとめています。仏像への正しい理解・鑑賞のための学習書です。
巻末に造像の技法が添えられています。

日本建築様式史



先史時代から、ポスト・モダンの現代にいたるまで、日本建築様式の全過程をまとめた建築・美術愛好者必携の解説書です。


| 日本の歴史 | 18:40 | - | - | - | - |

薬子の京

歴史小説の醍醐味!悪役の側から見る「薬子の変」

薬子の京
著者:三枝和子
出版社:講談社

先日読んだ「王朝序曲」以来、藤原薬子が気になっておりました。
で、薬子の側から見た「薬子の変」を書いた小説、読んでみました〜!

「王朝序曲」では、藤原冬嗣が主人公なので、
薬子の扱いは大人の女の魅力で皇太子をとりこにし、私利私欲のために皇太子を動かし、ダメにした悪女って感じの、いわゆる一般的な見方なのですが、
歴史ってねぇ、やっぱり勝者の都合のいいように残されるものですから。

薬子さん側の言い分としてはどうったんでしょうか。

結果…
まぁ、娘が嫁入りしたとこの婿に愛されちゃう というのは
やっぱり抵抗はあるものの、年齢的には8つほどしか離れていなかったわけですね。
まあ、現代でいえば全然ありな年の開きなわけで。

最初は抵抗があったとしても、この本の中の薬子さんは
面倒見のいい、世話焼き姉さんで、皇太子・安殿にすっかり情が移ってしまった、ということなのです。

安殿は天皇になったものの、体調不良&自分の子どもを皇太子につけておきたかったために
わずか3年で弟の賀美能に譲位してしまうわけですが、
賀美能としては兄ちゃんの子どもを跡継ぎになんかしたくない、
そこで安殿に謀反の疑いをかけて、その罪をぜーんぶ薬子とその兄・仲成におっかぶせてしまう というストーリーになるわけです。

長屋王の変だとか、早良親王の事件だとか、そのあたりはなんとなく
「陰謀にはめられたんだなー」という認識になっているのに、
薬子の変ばかりは「あの悪女が!」という認識のまま今に至っているというのが、
薬子の側に立ってみるとなんとも口惜しい。

しかしそれにしても、同じ事件をいろんな人の立場で読み解くことができる、
これぞ歴史小説の醍醐味ですな〜♪

| 日本の歴史 | 23:04 | - | - | - | - |

日本史参考書

  


仏教を知る上で、また日本の歴史を知る上での参考書を
ご紹介いたします。
じつは、高校の参考書ですが大変詳しく、また図録も美しくたくさん
掲載されています。
大学受験の良き参考書として活用された方もいらっしゃると思います。

  

(レビュー:しんいち)
| 日本の歴史 | 15:22 | - | - | - | - |

王朝序曲

「平安」時代の幕開けがよ〜くわかる

王朝序曲

著者:永井路子
出版社:角川文庫

奈良時代が好きなもんで(「天上の虹」のおかげで)、奈良時代の歴史は大体頭に入っているんだけど、平安時代になるとだんだんと記憶が危うくなる私です。

この物語の主人公は「藤原冬嗣」。
…聞いたことあるけど誰だっけ?? 状態からのスタートです。

上巻では、冬嗣は出世の糸口も見えないペーペー貴族、
それに大して兄の真夏は東宮・安殿に仕えてメキメキ頭角を現す…。
というところなんですが
「兄貴みたいにストレスまみれで命がけで出世するより、
出世しなさそーだけど朗らかで性格のいい皇子のところで働こう〜っと♪」


…とのんきに出仕先を決めたのに、
薬子の変やらなんやらかんやら、いろんな出来事がありまして
結局その朗らかな皇子・かみのが嵯峨天皇になっちゃって、
兄貴を越えて出世しちゃった〜! というお話です、あまりにも簡単にいうと。

でもこの嵯峨天皇、朗らかで文化芸術を愛するものの、政治には全くの無関心。
「冬嗣〜 適当にやっといてよ!」
って感じなので、「天皇は文化芸術を愛し、決められた行事をきちんと執り行う」
「政治は側近が行う」
という図ができて、結局のところ平安時代のあの雅やかな文化は
この時代からスタートしたらしいです。

ところで、私がすっごく気になったのは
薬子の変の主役になっている薬子さん。

自分の娘を嫁がせたのに、結局娘の夫(安殿)の心をわしづかみ、
政局を探して歴史に名を残したこの女性、一体どういう人だったのかしら〜。

まあ、今の歴史では「若い皇子をたぶらかし、権力を掌握しようとした悪女中の悪女」ってことになってるけど、
中年になってまで安殿の心をかき乱すほどの、魅力的な女性だったということなんでしょうかねー。

今度は「薬子の変」についての本も読んでみたいものです。

薬子についてのオモロイ意見↓
薬子って美人?
| 日本の歴史 | 22:10 | - | - | - | - |

火の国の城

加藤清正にますます惚れちゃう!忍者好きにもたまらん一作

火の国の城
著者:池波正太郎
出版社:文春文庫

実はわたし、熊本人です。
熊本人の誇りといえば、そりゃあもう熊本城につきるわけです。
あの黒い天守閣! ため息のでるような美しい石垣!
名古屋の人や姫路の人には申し訳ないが、日本で一番カッコイイお城は
熊本城のほかにないだろうと本気で思っております。

そんな熊本人にとって、加藤清正は今もって大スター
加藤家の後に長く藩主をつとめた細川さんよりも、
「せいしょこさん」の方が絶大な人気を誇っております。

というわけで読んでみました「火の国の城」。
難しい政治の歴史だけではなく、池波作品には馴染み深い
忍者たちの活躍も楽しい作品です。

実はこの作品を読むまで、清正といえば
「秀吉の子飼いから大出世した」とか
「挑戦で虎退治した」とか
「熊本城のふもとの銅像で三角の帽子かぶってる」とか
その程度の知識しかなかったのだけど(スターなのに)
彼の活躍っぷりとその男気にますますほれ込んでしまいました。

歴史に「たられば」がないのは重々承知しながらも
「清正がもう少し長生きしていたらな〜」なんて考えたりもして。

故郷・熊本の誇る大スター、加藤清正について
もっと知りたくなってしまいました〜!

(レビュー:えつこ)
| 日本の歴史 | 20:27 | - | - | - | - |

女帝の手記 〜孝謙・称徳天皇物語

ひめみこが女帝に育っていく、葛藤と苦しみを描いた作品


著者:里中 満智子
出版社:中央公論社

藤原氏によって女性初の皇太子に押し上げられ、女帝への道を歩んだ孝謙天皇(のちに称徳天皇としても即位)が自ら書いた手記としてまとめた作品です。

「天上の虹」「長屋王残照記」を読んだあとにこの作品を読むと、「オマエが長屋王を殺した藤原氏の娘かぁっ!」と腹立たしいものを感じないでもないのですが、彼女には彼女なりの苦悩がありまして。

考えてみれば普通の女の子が、いきなり前例のない「女性の皇太子」に就かされて、自分の意思を無視したまま周りがどんどん天皇にまつりあげていく…なんて、普通に考えただけでもしんどいでしょ。恋をすることも許されず、男以上に勉強をさせられ、親族以外は敵だらけ…。そんな境遇を考えるだけでも同情せずにいられません。

そんな彼女もいろんな経験をするうちに女帝としての自覚が芽生え、自分をまつりあげた藤原氏を潰していく…というストーリーなのですが、この中で彼女の心の支えとして登場するのが、僧・道鏡。女帝をたぶらかし、政治に介入したけしからん坊主、といった感じで扱われる道鏡さんですが、心清らかでとても人徳のあるお坊さんとして描かれています。人の見方って、本当に受け取る人しだいなんだなぁ〜、なんて考えさせられちゃいます。ちなみに、里中先生の作品では藤原氏の嫡子はみんなおんなじ顔で笑っちゃいます。

(レビュー:えつこ)
| 日本の歴史 | 02:00 | - | - | - | - |

長屋王残照記

涙なくして読めません! 悲劇の王・長屋王の人生をつづった作品


長屋王残照記
著者:里中 満智子
出版社:中央公論社


長屋王といえば「天上の虹」でも容姿端麗で仕事もできるイケメンとして登場する高市皇子の息子。藤原氏によって謀反の疑いをかけられて闇に葬られた人物です。この作品の中で長屋王は、権力を狙う藤原4兄弟によって徐々に追い詰められていくのですが、そこには彼の清廉潔癖すぎる性格が災いしています。

やっていることは間違っていないんだけど「そんなきれい事ばっかり言っててもね〜…」って人、みなさんの周りにもいるのではないでしょうか。長屋はそんな人柄で描かれています。そう思うと、やっぱり政治というのは腹黒いやつにしかできないことなのかしらねぇ。

長屋王を死に追い込んだ藤原4兄弟はほどなくしてはやり病でバタバタと病死。歴史に「たられば」はないと承知で考えてしまうのは、この4兄弟がもう少し早く亡くなっていたら…、長屋王の変が起きなければ…。その後に訪れる平安時代の藤原一族の栄華もなければ、平安時代の文化も変わったものになっていて、いま描いているこの「かな文字」もなかったかも!

ともあれ、長屋王とその一族の死を思うと涙なしに読めない作品です。お読みになるときはハンカチ必須ですっ。

(レポート:えつこ)
| 日本の歴史 | 01:55 | - | - | - | - |

日出処の天子

聖徳太子が美しすぎるっ

日出処の天子
著者:山岸 凉子
出版社:白泉社


美形の王子・厩戸(のちの聖徳太子)蘇我氏の総領息子・毛人(蝦夷)が主人公。細く緻密な線で描かれる厩戸王子がもう、美しいんだ! ありえないことに王子は超能力者。念力で巻物を飛ばしたり人の心を読んだり、幽体離脱して人を殺しに行っちゃったり。そしてその力がなぜか及ばない蘇我毛人に心惹かれ…というボーイズラブも盛り込んだ作品です。

事実はさておき、歴史を物語として楽しめます。教科書の歴史は、こんなに血の通った人間像を教えてくれないからね。飛鳥時代を知るためにおすすめです!

(レビュー:えつこ)
| 日本の歴史 | 01:49 | - | - | - | - |

謎の女帝・持統 日本初の女性天皇

やっぱこれが持統天皇論の基本? 悪女なんですよね〜、扱いが

謎の女帝・持統
著者:関 裕二
出版社:KKベストセラーズ


「天上の虹」ファンにとってはちょっと悔しいことですが、持統天皇を徹底的に「悪女」「冷徹」「策士」といった切り口で紹介した本です。…が、世の中一般的には彼女がこのように紹介されるのはよくあること。ホント、残念なんですが。

「お飾り」「中継ぎ」ではない真の女帝としての評価はあるようですが、いわく「持統天皇は大化の改新というクーデターの真っ只中に生まれ、両親の愛情を受けずに育った」「息子・草壁皇子への偏愛のためにライバル・大津皇子を陥れた」「日本書紀は持統の都合のいいように歴史をねじまげられている」…といった具合です。

今となっては事実を確認することはできないし、そもそもいろんな角度から見ることができるから歴史は楽しいのでありますが、くどいけど「天上の虹」ファンにとってはつらいっす。ただ、持統天皇をよりよく知るためにはこちらサイドの本も読んでいきたいと思います。
(レビュー:えつこ)
| 日本の歴史 | 01:42 | - | - | - | - |

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